スロウライダー「Maggie」

highreso2006-09-22

18日夜公演を鑑賞。ブスに告白され何故か切れたニートのものがたりホラー風味。金も居場所もない主人公がリチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』を居候先でもアホみたいに読み続けている話。のめりこみすぎて小説の中の登場人物と主人公が会話し始めるところなんか高野文子『黄色い本』を思い出します。この舞台ではもうちょっと行き過ぎて、小説の中のユートピアに住み始めちゃうわけですが。

しかしまあ寝てる観客の多いこと。役者さんは上手いことやってくれてるのに、話の魅せ方や展開が分かりづらかったり拙かったりベタだったりして、なかなか退屈。理由は説明不足でもあったりするけど、これ以上わかりやすくすると物凄く安っぽくなってしまうし、怖くもなんともなくなってしまうので、いやこれはもう演出家さん頑張ってくださいと言うよりない。なんで主人公が『西瓜糖の日々』を手に取り(しかもハードカバーで)、読んでいたのかも分からないので冒頭からちょっとだけ戸惑ったし。せっかく面白いこと考えてるのに、この不器用さはとても勿体無い。当日券の価格設定(前売りと千円の差がある)まで、考えるべきことは多いように思う。もう一息。

スロウライダー
2006年9月13日〜9月18日 下北沢駅前劇場
Inspired by『西瓜糖の日々』リチャード・ブローティガン作 藤本和子訳 河出文庫
作・演出:山中隆次郎 
出演:児玉貴志(THE SHAMPOO HAT) 日下部そう(ポかリン記憶舎) 笹野鈴々音(風琴工房) 松浦和香子(ベターポーヅ) 佐々木光弘(猫☆魂) 夏目慎也(東京デスロック) 芦原健介 數間優一 山中隆次郎