庭劇団ペニノ「アンダーグラウンド」

highreso2006-09-18

18日昼公演を鑑賞。ものすごく金と手間のかかった冗談。薄暗くじめじめとした手術室で患者である大男のお腹をひたすら弄繰り回す看護士たち。手術室に住まう小人の悪ふざけと癒し。ジャズ演奏とメスのかちゃかちゃやる音がセッションしてる。1時間半あるうちずっと手術とその準備なのだけど全然退屈しないーと言い切れるほど僕はまだ芸術に対し理解がないので、ストーリーが一切なかったのはやっぱりきつかった。

女優さんは全員看護士役。マスクをした上でボソボソと喋っているので、台詞はほとんど聞こえません。超リアルなセットに演技はポツドールっぽいんだけど、根本的な部分でリアルが削除されていることにやがて気づくことになる。たとえばマメ山田。たとえば切り裂かれた腹から取り出される臓器。手術が始まってからはもうひたすらスリリング。劇場全体にエコーがかかってるんで、メスをかちゃかちゃやる音が超響く。観客側も一切物音を立てられない。緊張感。隣に座ってる人が唾を飲む音が聞こえてくる。

心躍るストーリー展開を期待していくとぶっちゃけ肩透かし。でもたまには壮大な子供だましに騙されてみるのもいいかもしれません。

庭劇団ペニノ
2006年9月15日〜9月20日 下北沢ザ・スズナリ
作・演出:タニノクロウ
出演:佐山こうた(p) 中林薫平(b) 長谷川学(ds) 安藤玉恵 佐山和泉 島田桃依 瀬口タエコ 保坂エマ 吉原朱美 横畠愛希子 飯田一期 マメ山田