2006-01-01から1年間の記事一覧

米澤穂信『犬はどこだ』

僕自身が絵に描いたような自意識過剰高校生(しかも文系)だったこともあって、『さよなら妖精』という痛さ炸裂の青々しい小説を書いてもはや己の高校生活を忘れてしまった人々を中心に大絶賛のもとに受け入れられた米澤穂信に対し言いようのない嫌悪感を抱…

イデビアン・クルー「補欠」

24日の最終日を観にいったのだけど、客席がガラ空きでちょっとびびった。日曜日だよ。前日の夜公演に八嶋智人がトークゲストで出てたので、ひょっとしたらその影響でこういうことになったのかも。ともあれ最前列で鑑賞。ぶっちゃけ観にくい。舞台が広いので…

トリコ劇場「神様の不在」

22日公演を鑑賞。チラシに描いてあった地図が分かりづらくて軽く迷う。交番で道聞いたら「また明石スタジオか」とか言われたりして。劇場は地下にあって妙な雰囲気が出てるところでした。戦争をやってる現代日本における、神様についての話。いいたいこと、…

スロウライダー「Maggie」

18日夜公演を鑑賞。ブスに告白され何故か切れたニートのものがたりホラー風味。金も居場所もない主人公がリチャード・ブローティガン『西瓜糖の日々』を居候先でもアホみたいに読み続けている話。のめりこみすぎて小説の中の登場人物と主人公が会話し始める…

庭劇団ペニノ「アンダーグラウンド」

18日昼公演を鑑賞。ものすごく金と手間のかかった冗談。薄暗くじめじめとした手術室で患者である大男のお腹をひたすら弄繰り回す看護士たち。手術室に住まう小人の悪ふざけと癒し。ジャズ演奏とメスのかちゃかちゃやる音がセッションしてる。1時間半あるうち…

中野成樹+フランケンズ「暖かい氷河期」

10日昼公演を鑑賞。原作に触れたことのあるわけもなく、翻訳劇初体験ということでびくびくしながら観にいったら超面白くて二度びっくり。こんなにオモロイのに横浜という土地柄からか客席が30くらいしかないのにガラガラの回もあるようで、もったいなさ過ぎ…

ペンギンプルペイルパイルズ「道子の調査」

9/3の公演を鑑賞。失踪した女を探す調査員・道子がかつて女と関わりのあった人間を呼び出し、一癖ある連中を相手に話を聞いていく。どこか西澤保彦を髣髴とさせる会話中心のミステリータッチで話は進み、六年前の出来事の回想と平行して舞台は進行していく。…

メモ

9/10 NHK-BS2「深夜劇場へようこそ」(0時55分から)にて、本谷有希子「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 9/10〜13 野鳩「アイム・ノット・イン・ラブ」イープラス先行 9/17 「深夜劇場へようこそ」にて、宮沢章夫「モーターサイクル・ドンキホーテ」 9/27 …

タイガーフェイクファ「山羊王のテーマ」

「八木メェーメェー」という浦賀先生リスペクトソングではもちろんなく、みんな大好き川本真琴お姉さんが「今年の始めに小さなライブハウスで自作自演ミュージカルをし」た「時に作った曲」を3曲(とカラオケ)まとめたもの。ライブ音源だし演奏も結構チープ…

少年社中「光の帝国」

社中の第16回公演をこないだの「アルカディア」のときに買ったDVDで鑑賞。DVDというかぶっちゃけDVD-Rです。ラベルのとこ白いまんま(役者か毛利さんがサインとかメッセージ書いてくれてもいいんでねーの)。特典映像一切なし。ヨーロッパ企画をちょっとは見…

森見登美彦「太陽の塔」

高校2年生の頃この本を読んで30ページくらいで挫折したあの頃の僕の気持ちなんて君にわかるわけがないんだが、だからこそ今、声を大にして伝えたい。好きです。 とはいえここに描かれている世界をいとおしく思えるわけでも、頭がいいくせに肝心なとこを見な…

岸田暁「マイ★ボツ マイ★ゲンコー」(『回゛廊』零号)

こういうのは、もういいや。

海羽超史郎「ラスト・ビジョン」

このエンディングへと着地した原理は正直言ってよくわからないけど、これは凄い傑作なのだが凄い失敗作でもあるような気がする、と読み終わった瞬間の僕が言った。だいたいライトノベル読者の3割は登場人物の台詞(会話文)しか読んでいないので、こんな理屈…

少年社中第17回公演「アルカディア」

20日の千秋楽を鑑賞。前回公演ですっかりファンになった小松愛さんが今回急遽降板ということでテンション下がるも、公演自体の評判はものすごく良いので張り切って観にいく。一緒に行く4人分のチケットを僕が取ったのですが、期せずして良い席を確保できたた…

鉄割アルバトロスケット「高みからボラをのぞいてる」

鉄割アルバトロスケット 2006年8月17日〜20日 こまばアゴラ劇場 劇作:戌井昭人 演出:牛嶋美彩緒 出演:内倉憲二、奥村勲、中島朋人、中島教知、田山雅楽子(kiiiiiii)、大根田雄一、木村秀治郎、小林滋央、南辻史人、伊藤麻実子、古澤裕介(ゴキブリコンビ…

親族代表「小(りっしんべん)」

親族代表 2006年8月8日〜13日 新宿THEATER/TOPS 脚本・演出:福原充則(ピチチ5) 脚本提供:小林賢太郎(ラーメンズ) 千葉雅子(猫のホテル) ブルースカイ 本田誠人(ペテカン) 出演:嶋村太一 竹井亮介 野間口徹13日昼の千秋楽を鑑賞。「GOLDEN BALLS LIVE」…

男子はだまってなさいよ!5「宇宙戦争」

男子はだまってなさいよ! 2006年8月9日〜13日 下北沢本多劇場 作・演出:細川徹 出演:斉木しげる、大堀こういち、五月女ケイ子、近藤公園、荒川良々、池津祥子、佐伯新、深田純、細川徹/日替わりゲスト11日昼公演を鑑賞。イープラスの先行予約に当たったお…

猫のホテル「電界」

猫のホテル 2006年8月2日〜6日 下北沢本多劇場 作・演出:千葉雅子 出演:中村まこと、森田ガンツ、市川しんぺー、佐藤真弓、池田鉄洋、村上航、いけだしん、岩本靖輝、菅原永二、千葉雅子、松重豊4日昼公演を鑑賞。有名どころの劇団だけど、なにぶん観劇初…

DNA PRODUCE #1「ニンニクノ心」

DNA PRODUCE 2006年7月28日〜30日 新宿シアターサンモール 作・演出:浅沼晋太郎 殺陣:奥住英明 出演:押野大地 猪狩敦子 浅沼晋太郎 水町斉子 蜂須賀智隆 武内由紀子 是近敦之 石塚義之(アリtoキリギリス) 今日平 伊藤正巳 芹澤良 中村裕介 太田達也 笹…

平山瑞穂「忘れないと誓ったぼくがいた」

なにかに夢中になっていた日々の痛々しさとか、日記を読み返すときの気恥ずかしさとか、青春っぽいもののすべてを奪われた男の子の物語。経験値を積まなければレベルアップできないという現代的感覚に基づけば主人公の人間的成長はありえないわけだが、そこ…

ダイタンプラネッツ第1回公演「恋するクランケにキスと包帯を!!」

ダイタンプラネッツ 2006年7月20日〜24日 下北沢駅前劇場 演出:伊藤ひろあき 脚本:上田誠(ヨーロッパ企画) 出演:原田泰造 大北隼也 千代田信一(拙者ムニエル) 諏訪雅(ヨーロッパ企画) 永野宗典(ヨーロッパ企画) 植木夏十(NYLON100℃) 神農幸 橘…

法月綸太郎「怪盗グリフィン、絶体絶命」

本秀康のイラストがすごく卑猥に見えてしまう僕でも読んでいいですか?な、まごうかたなきスーパージュブナイル。萌えとか意地悪とか一切なしの直球勝負。難しい漢字も多いけど、ふりがなが振ってあるのでちゃんと辞書を引こう。怪盗グリフィンが特にお友達…

ポツドールvol.14.5「女のみち」

ポツドール 2006年7/5(水)〜10(月) 新宿THEATER/TOPS 脚本・演出 溝口真希子 出演 安藤玉恵 岩本えり 内田慈 玄覺悠子 佐山和泉(東京死錠)/米村亮太朗 鷲尾英彰 富田恭史(jorro)9日の日曜日昼公演を鑑賞。ポツドールは前回公演に次いで2回目。今回はAV…

シベリア少女鉄道vol.16 「残酷な神が支配する」

シベリア少女鉄道 2006年7月6日(木)〜15日(土) 吉祥寺シアター 作・演出:土屋亮一 出演:前畑陽平 藤原幹雄 横溝茂雄 吉田友則 篠塚茜 出来恵美 加藤雅人(ラブリーヨーヨー)七夕の日に観劇。シベ少の芝居を観るのも三回目。コンスタントに公演を続け…

ロリータ男爵11周年アニバーサリー本公演「エプロンの証」

ロリータ男爵 2006年5月24日(水)〜29日(月) 下北沢駅前劇場 作・演出 田辺茂範 出演 大佐藤崇 斉藤マリ 役者松尾マリヲ 加瀬澤拓未 丹野晶子 草野イニ 斉藤麻耶 田辺茂範 足立雲平 立本恭子 吉原朱美(ベターポーヅ) 今林久弥(双数姉妹)26日夜公演に…

北京蝶々第6回公演「コトバのサクラ」

北京蝶々 2006年5月17日(水)〜22日(月) 早稲田劇研アトリエ 作・演出:大塩哲史 出演:赤津光生・帯金ゆかり・鈴木麻美・三浦英幸・森田祐吏・垣内勇輝・太田美登里・岡安慶子・鈴木淳子・田渕彰展・長岡初奈・満間昴平18日の公演を鑑賞。早稲田の新入生…

劇団、本谷有希子(アウェー)「密室彼女」

劇団、本谷有希子 2006.5.3.〜5.9. 下北沢ザ・スズナリ 企画:乙一×本谷有希子 出演:加藤啓(拙者ムニエル) 吉本菜穂子 杉山彦々結局どこらへんが密室だったのかというとそれは貴女の心です、といった感じの、鳥肌が立つくらいベタベタなレンアイ劇。そこ…

皆川純子『Future of Blue』

「テニスの王子様」越前リョーマ役で人気爆発、キャラクターCDはバカ売れ、男の子女の子おとなのひとまで何でもこなす声優、皆川純子のファーストアルバム。発売は2003年とちょっと前。受験勉強中「アシタヘストライク!」とか聴いてたので面白かっこいい人…

中村九郎「ロクメンダイス、」

「恋してる」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!!***作者と、読者である僕の間で話が通じてないという怖さ。あまり健康でない主人公の一人称文体からくる不安定感をベースに吊り橋効果なのかなんなのか、言ってることがコ…

真嶋磨言「憂鬱アンドロイド」

自分のことをアンドロイドだと思い込んでいる勝手に改造な男の子と、そんな彼を一身上の都合によりほっとくことが出来ない幼馴染的存在の女の子。ライトノベルってこんなにライトだったっけ?と、すいすい読み進めることが出来ると同時に、引っかかる箇所が…