ポツドールvol.14「夢の城」

ポツドール
2006年 3月2日(木)〜12日(日) 新宿THEATER/TOPS
脚本・演出:三浦大輔
出演:安藤玉恵 米村亮太朗 仁志園泰博 古澤裕介 鷲尾英彰 名執健太郎 佐山和泉 小倉ちひろ
照明が消え、幕が開いて芝居が始まった瞬間からもう嫌な予感。あれ、声聞こえない。窓越しで観てるからか。でも人の足音とか暴れるときの音は聞こえるのに。見た目似たようなのがいっぱい。役名がちゃんとあるのに、舞台上の誰ひとりとして喋らないので役者の名前がわからない(終わった今でも誰が誰やら)。あーセックスしてる、ちんこは見えるのにまんぴーは全然見えない、見える位置ってどのへんかな、とかそんなことしか考えられないのでなんか損した気分。

台詞らしい台詞が一切なく、会話によるコミュニケーションが欠如した生活を垂れ流し続ける展開に途中で飽きてしまって、パイプ椅子に座っているケツの痛さが気になってくる。これは観客が「覗き見」してるのだ、という感じの状況なのだけれども、あんなセックス見せられたってこの場でチンポ出してしごかせてもらえるわけでもないし興奮したほうが損なんじゃないの、などと思ってしまい罪悪感みたいな興奮は発生せず。結構早めに理解することを放棄してぼんやりと観てた。

役者の台詞ではなく、あのリアルなセットからこいつらの人生を読み取れ、みたいなメッセージもあったのだろうと思うけれども、申し訳ないことにぜーんぜん受け止められず。ところで、舞台の左隅に誰かと誰かがセックスに興じてるのを尻目に延々パワプロをやっている男がいるのだけど、その様子がなんか変だなと思ったら2人対戦モードなのに1人でプレイしている、誰かに強制的にチャンネルを変えられるまで不毛な勝負を続けているのだということに気づいて、少しだけゾクっとさせられた、と、思ったのだけど、人様の感想を巡り巡ってみると誰も指摘してなくて、ひょっとして違う?勘違い?と不安になってみたり、見終わった後でも何かと鬱陶しい芝居ではありました。